« アトリエmickey「宇宙の大きさ」 | トップページ | アトリエmickey「ワイングラス秘話」 »

アトリエmickey「ふるさとの響き」

Hanabiaka

  三重県富洲原・石採り祭   97/07/13-14
  
 7/12-13の土・日曜日は、お祭りの本番でした。三重県川越町の富洲原駅の界隈の石採り祭です。とても音が大きい(日本一?)お祭りです。
祭  初日の朝10時に山車は出発です。昨夜からの雨模様です。神社の横にある公民館の前からでます。青年部の人たちの歌声の後、太鼓と鉦の大音響が始まって、山車は、リーダーの笛の合図で、ゆっくりと引かれていきます。カーンカーンシャカシャカの鉦の音とドンドドンの太鼓との独特な節まわしです。太鼓や鉦を打ち鳴らす青年部の人たちは、半数近くが女性です。青年部の人たちが纏うエンジ色のはっぴは、雨のなかのアジサイの花の色のようです。雨空のもとでも鮮やかにみえます。山車の先端の竜の飾りからのびる綱は、子供たちが引いています。 山車には太鼓が1つと鉦が4つ付いています。山車と両側の大きな車輪は、黒と朱と金色に塗られています。山車は上の半分にちょうちんが山の型にならび、前方に折れ曲がって電線をくぐります。せまい路地ではちょうちんの付いている腕木を折り畳みます。山車の車輪は3つです。方向の転換は、前の1輪をうかせて行います。山車は、大音響とともに地区の中を回ります。山車や太鼓も鉦も、人々も、まるで水中のようにズブ濡れです。お祭り囃子の大きな音も、大粒の雨音のなかにきえていきます。周囲には、パトカーや消防車両の赤い回転灯の光がきれいです。このあと、夜10時近くに老人会の皆さんに引かれて神社にもどった山車は、夜中の12時近くまで打ち鳴らして、初日を終えました。大雨のなか、ちょうちんの明かりも絶えだえです。

祭  2日目は9時半に出発です。 きょうも警報中の大雨です。青年部の人たちのユニホームは今日は白色です。今日は駅(近鉄富洲原)の方面に繰り出します。となりの区域の山車と合流して、昼に一度神社にもどります。音響が重なり合い、響き合い、迫力です。打ち鳴らす青年部の人たちも力が入ります。方向性の感覚のない大音響の体感、鼓膜が伝わる音に麻痺して、空気の震えによって全身の皮膚が振動する。日本一音の大きな祭というふれ込みも誇張ではないかもしれない、と思う。雨のしずくも、汗のしずくも、太鼓や鉦の打面で飛び散っています。午後は2時に出発して、近くの小学校の方向へ出て行きます。夕方には、いったん戻って、再び駅の方面へ向かいます。次に神社に戻ってきたのは夜10時、やっとこのころに、雨があがりました。そして最後の打ち鳴らしが12時近くまで続きます。日付が変わる時間を迎えたころ、ひときわ強く打ち鳴らして、突然に静寂になりました。しんとした静けさがあたりに戻りました。かすかに青年部の人たちの歓声が聞こえます。濡れた地面に、消え残ったちょうちんがほのかに揺れています。

 こうして大音響と大雨の2日間が終了しました。1年間の祈願を終えて、界隈は静けさにつつまれます。今年も、耳の奥に、お祭りばやしの響きを残して終わりした。大雨のなかの、まる2日間、青年部のみなさん、がんばりました。お祭りを終えた暗闇なか、青年部の女性の、「さむぃ。」というちいさな声が、心にしみます。
 昨年は、炎天下の2日間、今年は大雨のなかの2日間。いろいろな風情をもつお祭りは、やはり感動ものです。
Maturi1


Maturi2


 
 (写真は、2000年8月、天カ須賀・住吉町の山車です。)


  (付録として)

 このお祭りの本場は、なんといっても、となりの三重県桑名市です。こちらは、たしか8月の始めだったと思います。桑名市のほうは、もっと規模も大きくて、もっともっとエキサイトです。もう、中途はんぱではありません。「天下の奇祭」とよばれる「桑名の石取り祭」は、ほんとにすごいですよ。一度いかがですか?
  
 「石取り(採り)祭り」の行われる地域は、三重県の北勢地区にたくさんありますが、その源は、三重県桑名市です。桑名市郊外を流れる「町屋(員弁)川」の石を、桑名城近くの「春日神社」に奉納するという「石取り神事」が、この祭りの由来です。

 石取り祭は、鎌倉時代、春日神社で行われていた流鏑馬(やぶさめ)神事が始まりと言われています。馬場を修理するために氏子らが近くの町屋川(員弁川)から清浄な栗石を取って運び、境内に奉納したのが起源です。最初は小さな荷車にしめ縄を張り、笹を立てて石を運んでいたのが、次第に華麗な祭車へと発展してきました。江戸時代末期から明治にかけて、現在のような三輪台車に社殿を模した「やぐら」を組み、上部山形に一年十二カ月を表わす十二張りの堤灯(ちょうちん)を飾った祭車の様式が完成。今に受け継がれています。


  太鼓の雨対策は?
 
 この独特な伝統のお祭りの太鼓の製造をうけついでいる製造元に問い合わせました。(三重県桑名市、創業宝暦3年です。)
 やはり、雨の中の太鼓の使用は、太鼓にとって、とっても過酷な条件といえます。でも、このお祭りとなれば使用せざるをえません。一応、山車の太鼓の上部には、雨をしのぐ天幕がありますが、大雨では、ほとんど役目はありません。雨の日には、革の部分に保革油(ほかくゆ)を塗って防水しますが、これも打ち始めたら、水滴をはじく効果は、あまり期待できません。
 雨の日に使用した太鼓は、天日に干して急速乾燥して保管します。通常、太鼓の打面の革は、何年も何十年もの寿命がありますが、雨のなかで使用された太鼓は、3割ほどみじかく張り替えを考えたほうがよいようです。
 大雨でもこのお祭りはおこなうもの、と考える姿勢は、やはり、太鼓の製造元も、お祭りを実施している人たちも、共通するものでした。

|

« アトリエmickey「宇宙の大きさ」 | トップページ | アトリエmickey「ワイングラス秘話」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/84126/64524250

この記事へのトラックバック一覧です: アトリエmickey「ふるさとの響き」:

« アトリエmickey「宇宙の大きさ」 | トップページ | アトリエmickey「ワイングラス秘話」 »