スーパーハイウェイ 第2名神高速道路
木曽川橋完成予想パース
木曽川橋完成予想パース(JH(日本道路公団))
●最初に
わたしの住む川越町の近くで、第二名神高速道路の工事が始まりました。この高速道路は、今の国道や高速道路と平行・交差しながらかけ抜けて、日本の将来を支えるとても大きな大動脈になると聞きました。そこで、この第二名神高速道路の建設について、調査をしてまとめました。第二名神高速道路は、すでに開通している「名港トリトン」から通じる愛知県弥富インターチェンジから、長島、桑名、川越、朝日、そして、四日市ジャンクションで東名阪自動車道と交差して、亀山につながります。その予定は、平成13年度に川越インターまで開通して、平成14年度には、四日市ジャンクションまでを完成目標としているようです。
●朝日町における橋梁下部の工事について
朝日 この付近は、辻古、広永という遺跡があり、第二名神高速道路の工事を始めるにあたり、文化財の発掘を行い、記録を残しています。そのため現在でも、文化財発掘事業と調整をはかりながら工事をすすめています。また、工事は、21世紀にふさわしい景観と新技術で続行中です。
●川越町インターチェンジ付近における上部工事の施工
「プレキャストセグメントによるスパンバイスパン工法」
川越 これは、コスト縮減のため、建設費の節減、省力化、工期の短縮・環境との調和を目指し、新技術、新工法を取り入れた「分割・組み立て式」の上部工事です。
製作ヤードに工場設備を設け、主桁を「輪切り」に分割製作します。この輪切りにされた製品を「セグメント」と呼びます。すでに作られたセグメントを型枠がわりにするこの工法を「ショートラインマッチキャスト方式」といいます。
製作ヤードより「セグメント」をトレーラーにて搬送し、橋梁の上で支持された架設機によって吊り並べ1径間(スパン)づつPC鋼線で連結し、順次、前に進めていく工法です。
●木曽川橋・揖斐川橋の上部工事における世界初の構造
「複合連続エクストラドーズド橋」
第二名神高速道路が、木曽川および揖斐・長良川を横切るところに建設中の木曽川橋、揖斐川橋。どちらも橋長1キロを超える大規模な橋です。現在は、橋の基礎をつくる下部工事は終わり、橋の部分を架設する上部工事がすすんでいます。橋梁には、コンクリート桁と鋼桁を合わせた世界でも初めての、「PC・鋼複合連続エクストラドーズド橋」を採用しています。
長良川橋 木曽川橋・揖斐川橋の桁は、あらかじめ別の場所で造られ、架橋地点に海上運搬して架設しています。コンクリート桁は、台船にて架橋地点へ運搬し、各橋脚から左右のバランスを図りながら所定の位置に架設します。また、鋼桁は工場で造られ、鋼箱桁部を一括して吊り上げて架設します。セグメントと呼ばれる輪切りにされた巨大なコンクリート桁や、重量約2千トンもの鋼箱桁部の大ブロックが吊り上げられる様子は、想像を絶します。このように、桁の部分の製作と架設を並行して行っているため、工期を大幅に短縮するとともに、コンクリートと鋼の複合構造にすることによって建設コストの低減も実現しています。
大河川を渡る、大きくて美しい橋。いまこの瞬間も少しづつ、完成に向けて工事中です。
●PR館「IC(インフォメーションセンター)長島」を見学して
長島インターチェンジ、長島高架橋の工事の現場近くに設置されているPR館を見学して、この第二名神高速道路の工事の方法や特色の展示を見学しました。ここは、パネルや建設工事の模型を使って、わかりやすく展示・紹介されていました。上部工事の「プレキャストセグメントによるスパンバイスパン工法」や、世界初の「PC・鋼複合連続エクストラドーズド橋」について理解することができました。
今回は、現在身近で、急ピッチで建設中の第二名神高速道路について調べてみて、その最先端の技術と、ごく近い未来にはこの第二名神高速道路の開通が実現するんだな、という不思議な感動をとても大きく受けたものでした。
(2000年 盛夏)
最後に、木曽川橋完成予想パースの画像の提供を頂きました、JH(日本道路公団)様に感謝と御礼を申し上げます。
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